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絹になる繭、真綿になる繭
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繭ができるまで |
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蚕の一生はわずか57日ほどの短い命です。幼虫は桑の葉だけをもりもり食べ、4回も脱皮を繰り返します。糸を吐くころには、生まれたときの1万倍もの体重に成長しています。やがて蚕は頭を8字形またはS字形にふりながら、1,500mほどの糸をおよそ2昼夜吐きつづけ、美しい一粒の繭をつくりあげます。蚕は繭の中でサナギとなり、蛾になって繭殻を破って飛び立ちます。繭殻が破られると繭の商品価値が著しく低下するため、養蚕農家では蛾になる前に殺蛹し、かたちのよい正繭だけを製糸工場へ出荷します。製糸工場ではほとんどの絹織物の原料となる生糸が作られます。 |
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絹にする繭と、真綿にする繭の違い |
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繭の種類は「正繭」以外に、繭から蛾が抜け出して大きな穴のあいた「出殻繭」や、2匹以上の蚕が共同して1つの繭をつくった「玉繭」などがあります。「正繭」以外の繭やつぶれたり汚れた繭は、生糸の製造に適さないため出荷する前に取り除かれます。これらが真綿の原料となるのです。しかし、品質のよい真綿には正繭が使われます。
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