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より快適な眠りの提供を目指して
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日本睡眠科学研究所 |
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近年、高度成長時代の反省も込めて物質的な豊かさの追求から精神的な豊かさの追求へ対象が移り、睡眠についての関心も高まってきています。ヒトはなぜ眠るのかという疑問に始まり、快適な睡眠を得るにはどうしたら良いか、さらには快適な目ざめにつながる睡眠を求める声が最近ますます多くなっています。
日本睡眠科学研究所はより健康で快適な睡眠環境を探求するとともに、人間の睡眠生理に関する研究に取り組むため、西川産業株式会社の企業内研究所として1984年11月に設立されました。研究員は、半数が西川産業の社内スタッフで、残りの半数は清水二郎先生ら、学会の権威者を顧問としてお迎えしております。 |
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研究所には室外の音を遮断、温度、湿度をコントロールできる人工気象室「睡眠測定室」を備え、各種の計測装置を備えています。 |
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ベッド上の身体の動きを記録する
「体動測定ベッド」
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敷寝具の違いによる体圧の変化を計測する
「体圧分布測定装置」
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睡眠脳波を解析する「睡眠ポリグラフ測定機」 |
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対象物の広範囲の表面温度分布を、瞬時にとらえる「赤外線映像装置」 |
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微少循環を対象とした皮膚血流量を測定する「レーザー組織血流計」 |
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ASTM型の「保温性測定機」および自社で開発した各種の測定装置 |
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快適な寝室環境を科学する |
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従来、よりよい寝具づくりにはより質の高い材料を使うことが最も重要と考えられてきました。しかし、寝具は人間がどのような条件のもとで快適な眠りが得られるか、又そのときの人体生理は、という科学的な面から追求されねばなりません。いまや、寝具開発はライフサイエンスの時代を迎えているのです。このような考えに基づき、当研究所では人間の睡眠生理の解明と睡眠時における寝床内環境の研究を中心として、睡眠環境と睡眠の関係を追求するなど、より健康で快適な睡眠環境を探求すると共に、素材、機能、システムなどを科学的、工学的に研究することによって、より健康で快適な睡眠が得られる、寝具の開発を進めています。特に、健康機能面の追求では高機能新素材、最先端技術を導入、ハイテクノロジー、バイオテクノロジーなどに基づいた新素材・新技術の利用を幅広く積極的に取り入れています。
また、睡眠を左右する大きな要因となる、寝室のスペースや温度・湿度、色彩、照明、騒音および振動などの寝室環境が及ぼす影響を一つ一つ解明し、快適な寝室環境の実現をめざしています。 寝室よりも体に近い寝床の環境面においても、当研究所では様々な実験結果から快適な睡眠に適した温度・湿度として、寝床内温度が 33±1℃、湿度が 50±5%RHの範囲を見いだし、この領域を「SLEEP COMFORT ZONE」と名付け快適寝床内気象の目安として提案しています。
生活の質の向上を求める市場の要望に応えながら、今後の高齢化社会の進行にともなって必要とされる寝具は何かを追求しています。寝具そのものの快適性だけではなく取り扱い性も含めたトータルの視点をおいて、ヒトにやさしく、赤ちゃんからお年寄りまで、それぞれの世代に応じたパーソナル寝具の開発を進めています。 |
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